カターンと音がして床にカッターナイフが落ちて先端の刃が折れてしまった。

「何か床に落ちたぞー! 誰か拾ってくれー!」

 宮岸さんの声に促されうようにして裕太がやって来てカッターナイフを拾った。
 裕太は目を細めてカッターナイフを見入ると、スポーツ刈り男に突き付けた。

「お客さーん! なーんで、こんな物騒な刃物持っているんすかー?」

「あーんだよ!? 知らねーよ!」

 すると宮岸さんが力を入れ始めた。
 イテテテともがくスポーツ刈り男。

「惚けるんじゃねーよ! コッチはしっかり見ていたからなー!」

「俺もしっかりとねー!」