「な、なんだ⁉︎」

 店の厨房を預かるチーフシェフたちにとっては今夜は驚きの連続だ。

 最初は指示された通りに材料の下ごしらえとかを行なっていた宮岸さんだけど、場の空気を読みながら作業の流れを理解すると次々と入って来るオーダーをこなすようになった。

 店側から支給されたユニフォームに着替えた宮岸さんは先ず、全てのメニューを把握し全ての料理の作り方が載ったマニュアル本を読破していた。

「宮岸さんは作業が早いですねー!?」

「そーだな。動きに無駄は無いし、手際良くて早い」

「早すぎます! 自分なんか彼に追い付けそうもないですよ!」