「宮岸なら使えそうですから」

「でもあの男性は板前さんなんだろう? ウチは和食屋じゃなくてイタリアンだよ」

「調理補助ぐらいは出来るでしょう? 包丁使えるんですから役に立つハズです」

「しかしねー」

 奥寺先輩の提案にオーナーは気が進まない。
 
「オーナー、今はそんな悠長な事は言ってられないでしょう? 早く欠員を埋めないと」と奥寺先輩は強気の口調である。

「そーだな、それほどまでに言うのなら」

 奥寺先輩の話しを聞いてオーナーは、その提案を受け入れた。