恥ずかしがりやな彼女は…………

話すことも聞くことも、恥ずかしいという。

素直になれない自分に、自己嫌悪も…………。

ホントは、誰よりも素直なのに。

目は口ほどにものをいうって言葉通り

会話よりも、表情や目………しぐさで表してくれる。

今だってそうだ。

リクエストのオムライスは、美味しかったみたいで

頬が緩んでいる。

「美味しい?」

「…………………………うん。」

パクついて食べてたのが、恥ずかしかったのか

小さくなった。

拗ねたり照れたり怒ったり………。

泣いたり笑ったりと………思いを伝えてくれる。

やっぱり彼女の側がいい。

彼女には隣で笑っていて欲しい。



「先生、この間の返事をもらっていいですか?
僕は…………
素直なあなたも、拗ねてひねくれるあなたも…………
同じくらい好きです。
あなたが素直になれないのなら…………
僕がその分素直に『好き』だと伝えます。
無理せずあなたらしく生きてくれたらいいから…………
僕の側にいて下さい。」

「どうしてそんなに大切に思ってくれるの?
私は、航に思ってもらえるような人間じゃない。
航には……もっと相応しい人が沢山いる……………。」

彼女はどれ程自分を傷つけて大きくなったんだろう。

僕なんて………

自分を一番大事にして、育ってきたのに…………。

「理由なんて分かりません。
ただ、海晴先生が良いんです。
相応しいかどうかは自分で決めます。
先生は……僕と付き合いたいかどうかだけ考えて下さい。」

いつもは頭の回転も早く

会話だってとても上手なのに…………

このところの彼女は……

いっぱいいっぱいで言葉がでない。

悠人先生が言うように、本気の恋愛をして来なかったんだろう。

「はい、時間切れです。
悩んでも答えが出ないのなら……
とりあえず付き合ってみましょう。
付き合って、問題があれば二人で悩んで…………
それでも、僕と一緒にいることが苦痛だと感じるなら
別れてもらって構わないです。
僕は……先生に好かれる努力をします。」