「何?俊」


そう聞き返すと、俊がふいっと視線を逸らし


「その…青木と上手くやれよ。完全に認めたわけじゃねえけど。昨日はあいつに助けられたみたいなもんだし…一応礼言っといて」


少し耳を赤くしながらそう言った。



し、俊がそんなこと言うなんて…!


ちょっと感激!!



「う、うん!!分かった!じゃあちょっと探しに行ってくるね!」




そう言って教室を飛び出した。









でも、この時あたしは油断していた。





「────ねぇ、あなたが藤井さん?」





仮にも、相手は学校一人気の王子様。




あたしを気に食わないという人がもちろん居ないはずがなかった。