「じゃあね、ふたりとも!」


先輩とは校舎が違うため、下駄箱で別れた。


どっと疲れたな。


ていうか、あたしと付き合ってること知ってるはずなのに…やっぱりあたしの勘は当たってると思う。



「じゃあ、また放課後」


「うん!」



そう言ってあたし達もそれぞれの教室へと向かう。


遥先輩は、正直めちゃくちゃ可愛い。


そんな人に告白でもされたら、舞い上がらない男子はまずいないんじゃないかって思う。



でも、前の告白現場に鉢合わせた時、いつもと様子の違った先輩。


あれは、湊と同じ裏あり女子なんじゃないかと推測した。



でも、好きな人の前では完璧でありたいって言うのも分からなくはないかなぁ。



「芽依」


でもやっぱり、告白されたら湊も悪い気はしないだろうし…


「芽ー依」



もしかしたら好きになっちゃったり!?



「芽依!!」


「わっ、美玖!?」


「ちょっと、さっきから呼んでんのに!難しい顔して…何考え事してんの?」



どうやら考えすぎて、近くまで来ていた美玖の声も聞こえていなかったらしい。


恐るべし。