「おはようございます、遥先輩」


なるべく平常心を装って声を掛ける。


笑顔不自然じゃないよね!?大丈夫かな。


「おはよ、芽依ちゃん」


遥先輩もにこりと笑ってそう言った後、湊にも声をかける。


「湊もおはよ」


「おはようございます、先輩」



湊は、あたし以外の前では完璧王子だ。


極上スマイルで挨拶をする。



湊は気付いてないんだろうな、先輩が自分のこと好きってこと。


意外と鈍いよね…


ムッとなりかけたところではっと我に返る。


あぶないあぶない。気引き締めないと!



「ねぇ湊、こないだの事なんだけどさぁ…」


それから遥先輩はあたし達と一緒に校内まで歩く。


なんだろ、さっきから二人にしかわからないような話題を持ちかけたりなるべくあたしが会話に入れないような雰囲気を作り出してる気がする。


気のせい…?