弧を描くように口角を上げて微笑んだ彼女は、あたしの方へとゆっくり近づく。
同じ高校生のはずなのに、妙に大人っぽく見えてしまう。
少し猫目気味の黒い瞳に見つめられ、思わず体が固まる。
一体あたしになんの用?
「あなたが、藤井芽衣さん?」
どうしてあたしの名前を知っているのか。
「湊から聞いたの」
それは、彼女の一言で分かった。
「湊と付き合ってるの?」
いきなり会いに来て、なんで彼女にそんなことを言わないといけないのか。
青木くんの過去の話を聞いた今、あたしはこの人に対してあまりいい印象は持てない。
青木くんを傷つけた張本人だ。
たとえ元カノだとしても、話したいとは思わない。
だからこそなのかもしれないけど…
