縋るように見つめれば、帰ってきたのは「ぶはっ」という笑い声。



ん?笑い声?



なんで笑ってるの?




堪えきれないというようにお腹を抱えて笑う彼に、今度はあたしの方がぽかんとしてしまう。



え、今めっちゃ真剣に話してたんだけどなあたし。



目に涙を浮かべて笑う彼に頭がついていかない。



「えっと、青木くん?なんで笑って…」



「…はあ、もういいよ」



なんで笑ってるの?そう聞こうとした時、あたしの声を遮るようにしてそう言った。



その言葉の意味が、あたしのさっきの問いへのものだと理解するのに少しだけ時間がかかった。





そして驚いたように顔をあげれば、呆れたような、でもどこか吹っ切れたような顔をした彼と目が合う。



笑いすぎて溜まった涙を指で掬い、ふっと優しく細めた目が驚いて固まるあたしを捉える。



さっき助けてくれた時と同じ顔で見つめられ、心臓がドキンと高鳴る。





あたしは青木くんのこの顔に弱い。





なにか愛しいものでも見るようなこの瞳に。