[…先週起きた〇〇区2丁目での不審殺人事件の犯人は昨夜逮捕されました。…]
翌日の朝、喫茶店「Leaf」では
昨夜青山達が解決したニュースを廣瀬夫婦が見ていた。
「あの人が犯人だったんだ…。」
ゆめがショックを受けてテーブルに頭をコツンと打ち付けた。
開店準備をする廣瀬渉はギョッとして頭を撫でた。
「でも、解決したしな。青山達のおかげで。」
カップをいくつか用意している時だった。
左手の違和感に気づく廣瀬がゆめに問いかける。
「なぁ、もし俺の特性がまた
復活したとしたら、ゆめはどうする?」
不安そうな顔で問う廣瀬の左手に気づいたゆめは、彼の左手を握りしめて言った。
「その時はまた、支えるよ。何度でもね…。」
凛として言った彼女に廣瀬は、
優しいキスをした…。
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一方、青山は恋人レナの腕の中で目覚めた。
「おはよう。」
レナの大きな瞳が笑って言った。
「レナさん、おはよ。」
モゾモゾと布団とレナを抱き寄せて眠そうに言ったが、ふと携帯が気になり見てみると、
廣瀬から「お疲れ様。」とLINEが来ていた。
昨夜はとにかく特性が集まった濃い夜だった。
自分の長い人生の中で、いつの間にか切り替わり時期が訪れていて、第二人生が来ているのか?
何となくそう感じた時に、自分も歳を重ねてるんだなと実感した。
「レナさん、第2期も第3期も一緒だからね?」
俺の寝ぼけ声な言葉にキョトンとしてクスッと笑った。
柔らかい髪を撫でながらレナは言う。
「アニメの夢でも見てた?
ほら、起きて。朝ごはん食べよう。」
俺はそんなレナにキスをして、
彼女が目玉焼きを作る様子を隣でじっと見つめていた。
フライパンに卵を割り入れると、
そこには奇跡のように愛らしく、
双子の黄身が生まれた。
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