家に帰ると、スパイシーなカレーの匂いが鼻の奥に広がった。

「レナさん、ただいま!」

「遥斗!おかえりなさい!お疲れ様!」

俺のスッキリとした声色で事件解決を悟ったレナさんが勢いよく飛びついてきた。
ギュッと抱きしめて相変わらずの愛を感じる。

夕食時に今回の事件解決のニュースが流れていたが、"特性"のフレーズや柊木姉妹についても語られる事は一切無かった。

ちなみに解決した時だけはレナさんはそのままニュースを見ている。

「犯人、男の人だったんだ。」

「うん、特性持ちのね。ちなみに本部の刑事の1人も特性持ちだったんだ。」

そう言うと一瞬驚いていた。

「…最近、この辺り増えてるのかしら?」

「そうかも?そういえばね、"Breath"ってゆう特性持った人とも出逢ったよ。こないだ少し話した双子の姉妹ね。」

俺は柊木日芽の"光"の特性を見た時の事を話した。
とても綺麗で感動した事。双子の2人はとても絆が深くて尊いと思った事…。

「"光"と"影"かぁ。素敵ね。
いつか、見てみたいわ。きっと一生忘れられない位に感動しそう!」

俺はこの時、レナさんとのそんな遠くない未来を想って、ある事を思いついた。

それはレナさんには明かさず、密かに胸に秘めて置くと決めて、カレーをおかわりして2人の時間を堪能したのだった。