「"魔性"の特性について。
その名の通り、人々を魅了し翻弄させる特性。
身体全て、または身体の1部からフェロモンのように放たれている。
遺伝性のパターンが多く、能力の開花の原因は
幅広い。

色気は個性とも言うように、
"魔性"の特性の強さは様々だ。

特徴としては、1に"魅了"。
2に"コントロール"による"服従"である。
2は扱い方によっては危険性も伴う。」

CSSの事務所に戻る前、
怖い形相で烏丸に捕まった俺は
自分の2つ目の特性について説明する為に
烏丸を招いていた。

矢崎さんが出してくれた"魔性"の特性の
説明欄を読んだ烏丸は嫌味を含んだようなため息をついた。

「なるほどなぁ。女顔のアンタにピッタリやわ」

皮肉なのでスルーしたが、矢崎さんが烏丸の頭をチョップした。

「いてぇ!何すんねん!
事務員の分際で刑事にチョップすんな!」

「君は少しばかりか遠慮なしに口が悪いね。
女の子に嫌われちゃうよぉー?」

「んなっ!?これでもモテるんぢゃ!」

「はいはいそこまでだ。
烏丸くん落ち着いてくれ。」

柊木姉妹の方の取り調べを行ってた難波さんと
比嘉特捜部長も事務所に帰ってきた。

「お疲れ様です。」

烏丸は比嘉特捜部長に気づくと、
キリッとコロッと丁寧に立ち上がって敬礼した。

矢崎さんがムッとした顔のまま椅子に座ってクルクル回ったかと思うと反動を利用して立ち上がり、2人のコーヒーを用意した。

「お疲れ様です。柊木さん達どうでした?」

俺が2人に尋ねると、比嘉特捜部長はスーツのジャケットを脱ぎながら話した。