「まだ終わってへんで!!」

烏丸が再び、美作に拳を振り上げた。

「"Atack"の特性か!!
なら、容赦はしない!」

烏丸VS美作の戦いが始まった。

俺は柊木姉妹の保護を難波さんに託すと、
比嘉特捜部長が話しかけてきた。

「青山くん、あの特性を許可する。"Poison"が大人しくパトカーに乗るとは思えない。」

その言葉を聞いた俺は目を閉じて、
自分の左手に神経を集中させた…。

だがその時、烏丸が突然苦しみ出した。

「拳がビリビリしてきやがった…。
てめぇの毒のせいだな?」

「ご名答。」

美作あきらの意識は今、烏丸に向けられている。

その隙をついて俺は美作に一気に近づいた。
奴が振り向いた時にはもう手遅れ。

俺は美作あきらにぐっと近づき、
左手を奴の顔に添えた…。

「!?」

美作あきらの視界に映る俺。

瞳の美しさに魅了され、
時が止まったかのように、
俺に見惚れた…。

「美作あきら、"抵抗するな。"
お前を明部鉄郎殺害容疑で逮捕する。」

美作あきらの身体からうねり出ていた
トカゲの尾のような物がシュルシュルと音を立てて地面に伏せた。

「なんだ…?力が出せない…抵抗できない?
あんた………"魔性"持ちか?」

美作あきらは戸惑いながらも、
自分の意に反して体が勝手に従順になる。

両手を合わせ差し出されたので、
俺は手錠をかけた…。