「ふぅっうっうわぁぁん」
私は周りの目を気にせず泣き続けた。

「おメェらガキ相手にこんなに囲んだら戸惑うに決まってンだろ。」
フワッと宙に浮く体。
私は訳が分からず戸惑っていると、
「大丈夫か?ガキィ」
声のする方へ顔を動かすと、
「高杉……晋…作」
私が名前を口にした瞬間、彼の顔は穏やかなものから、厳しいものへと変わった。
「おい、ガキ。何で俺の名前を知っている?」
「あっ」
時すでに遅し
私はこちらを無言で睨んでくる高杉さんを前に口をパクパクさせることしか出来なかった。
これは実にまずい状況だ。
「いっいやあのっ、高杉さんって人とに…似てるな~って。
さっさっき通った人……あはっ
あははは……」
ごまかしにもなっていないごまかしを必死に通そうとしていた。