夏海は、まだインスタを見ていた。


颯太は、大学を卒業するとすぐ、小笠原諸島の父島に行っている。
そのまま、泊まっていた民宿で一年間働いていた。

その頃のものは、傷付き疲れきった、若者の心が綴られていた。

可哀相に颯太、よっぽど辛い事があったのね。
夏海は、颯太にLINEを送る。


《颯太はいろんな所へ行って、羨ましいな。》


《うん、いろんな所へ行ったよ。殆どバイクでね。こんな話してると、また放浪の旅に出たくなる笑。》