夏海は、仕度を急いだ。聡はいつも通りに朝食の準備をしていた。一つ違う事は、その側で雪絵がかいがいしく手伝っていた事だった。
「聡、行って来るわね。雪絵さん、お願いします。」
そう言って夏海は港に向い、稚内行きのフェリーに乗った。
青く澄みきった空と海、颯ちゃんはこんな綺麗な景色を、もう見る事が出来ないなんて…。そう思うと、夏海は辛かった。
稚内の病院へ着くと、颯太の兄が待っていた。
「夏海さん、颯太に会う前に話があるんだ。」
そう言うと、待合室のソファに座った。
「夏海さん、颯太はあんな体で礼文に行っても、民宿の手伝いは出来ない。あなたの足手まといになるだけだよ。颯太は、玉山に連れて帰る。」
「私、こんな事になって責任を感じています。私が颯ちゃんの目になりたい。礼文で一緒に暮らしたいんです。」
「夏海さん、責任を感じる必要はないよ…。颯太が自分で起こした事だから。」
「私は、颯ちゃんを愛しているんです。颯ちゃんの支えになりたいんです。島でのんびりすれば、心も体も癒えると思うんです。」
「そんなに考えているのだったら、私は何も言う必要はないよね。お互い大人なんだし。私も家族があるし、母親一人くらいなら見れるけど、颯太まではね。正直困っていたんだ。夏海さんが本気なら、颯太をどうか見てやってくれませんか。」
「はい、ありがとうございます。私、颯ちゃんとずっと一緒に礼文で暮らすつもりです。」
「それなら安心しました。私もそんなに会社を休めないんで、2、3日したら帰ります。」
夏海は、病室に急いだ。
「颯ちゃん、具合はどう?」
「夏海…待ってたんだ。」
そう言うと颯太の見えない目から、涙が伝って落ちた。
夏海は悟った。颯太は、自分の目が治らない事がわかったんだ。
夏海は、颯太の肩を抱いた。
「聡、行って来るわね。雪絵さん、お願いします。」
そう言って夏海は港に向い、稚内行きのフェリーに乗った。
青く澄みきった空と海、颯ちゃんはこんな綺麗な景色を、もう見る事が出来ないなんて…。そう思うと、夏海は辛かった。
稚内の病院へ着くと、颯太の兄が待っていた。
「夏海さん、颯太に会う前に話があるんだ。」
そう言うと、待合室のソファに座った。
「夏海さん、颯太はあんな体で礼文に行っても、民宿の手伝いは出来ない。あなたの足手まといになるだけだよ。颯太は、玉山に連れて帰る。」
「私、こんな事になって責任を感じています。私が颯ちゃんの目になりたい。礼文で一緒に暮らしたいんです。」
「夏海さん、責任を感じる必要はないよ…。颯太が自分で起こした事だから。」
「私は、颯ちゃんを愛しているんです。颯ちゃんの支えになりたいんです。島でのんびりすれば、心も体も癒えると思うんです。」
「そんなに考えているのだったら、私は何も言う必要はないよね。お互い大人なんだし。私も家族があるし、母親一人くらいなら見れるけど、颯太まではね。正直困っていたんだ。夏海さんが本気なら、颯太をどうか見てやってくれませんか。」
「はい、ありがとうございます。私、颯ちゃんとずっと一緒に礼文で暮らすつもりです。」
「それなら安心しました。私もそんなに会社を休めないんで、2、3日したら帰ります。」
夏海は、病室に急いだ。
「颯ちゃん、具合はどう?」
「夏海…待ってたんだ。」
そう言うと颯太の見えない目から、涙が伝って落ちた。
夏海は悟った。颯太は、自分の目が治らない事がわかったんだ。
夏海は、颯太の肩を抱いた。


