✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「どうして、ここに居ること、分かったの?」
奈都子が、警察に連行され…
悠は、瑞希たちが宿泊しているホテルに来ていた…そのホテルの部屋で…
「漆原さんが…、【悠は、別荘にいる】って。教えてくれたの…
成宮くんの、ご両親にも会った…。
成宮くんのお母さんね、奈都子さんとのこと…知ってたの」
瑞希の言葉に、悠の瞳は微かに揺らめいた…
母親の美津子が、姉の奈都子との関係を知っていた…と、言った瑞希の言葉が信じられなかったからだ…
「お母さん、謝ってた…。あなたを犠牲にしてた…って…。泣いてた…
あなたは、自分が犠牲になることで…お父さんも、お母さんも…お姉さんも…上手くいくって、思っていたの…。。
だから、いわれるままになってた…違う?」
「…瑞希…っ」
「でも…、そんなの表面的だけよ?
もぅ、そんな必要ないから…」
その瑞希の言葉を聴き…、悠の瞳から一筋の涙が伝い落ちた…
瑞希の言葉に、悠は、短く…【そぅか…】と、納得した…
そして…、悠は、瑞希の身体を抱き締め…、その耳元に…
「…会いたかった…」
瑞希は、その悠の言葉に涙が止まらなかった…。。悠の背に自分の手を回す…
「…成宮くん…、私も…」
「何か…、随分…久しぶりなような気がする…」
瑞希は、悠と再会した後…、ホテルの部屋のソファに座り…寄り添いながら…。。指先を絡ませ合う…
そぅ、瑞希の身体を抱き寄せ…、その頬に触れながら言った悠に。。瑞希は、涙の粒を浮かべた瞳で、見つめる…
「もぅ…、会えないかと…思ってた…」
次第に、その声が…涙声になる…
「俺も…、」
悠は、瑞希の頬に触れていた手を、顎先に触れ…その唇に口付けをした…。。
その口付けを受けながら…、瑞希の頬に涙の粒がつたい落ちた…
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
悠は、その後…警察の事情聴取を数回受け…。。一連の事件の被害者と…なった。。
悠の姉の奈都子は、琢磨が告訴しなかった為、保釈され…保護観察処分を受け。。実家に戻っているという…
「俺、大学、辞めようと思う…」
その後…、瑞希と悠は一緒に暮らし始めた…。。ちゃんと、悠の両親に許可も得ていた…
ただ、瑞希の部屋は一人用の部屋に近かったため…2人で暮らせるよう…あらたに、部屋も探さなければならなくなった…
悠から、話がある…と、言われた瑞希…
そぅ、意を決したような瞳を見せながら…言った悠の言葉…
「来年、美大、受け直そう…って…
いまのまま…のとこだと、将来的になりたいのとは畑違いだから…」
と。。
悠のいまの学部は、経済学部だ…それは、義理の父の強い勧めもあったからこそ…だが…、いまとなってはなんの魅力も感じない…という。。
それは、瑞希も薄々…勘づいてはいたが…
そう、言いつつも…笑顔を見せた悠に、瑞希も…それは、予想をしていた。。…彼は、あれから絵を描き始めている…
「うん。いいと思う! 応援する…。きっと、大丈夫だよ」
瑞希は、大きく頷き返し…。。悠の胸元にしがみつく…
悠は、過去の自分と向き合い…自分の人生を歩き出すことを決めた…。。新たな自分の人生を…――
「…ありがとう…っ」
そぅ、耳元に届いた言葉に。。瑞希は微笑み返した…
「……っ」
《この時間が、再び…戻ってくる…とは、思ってはいなかった…
彼の…、あの時の記憶が、消え失せることはないだろう…
きっと、一生…、彼の中の傷になって、くすぶり続けていく…
それでも、私は、彼と共に…生きることを選んだ…
それは、彼の受けた傷を…、自分のモノとしても…生きていきたい…と、思ったから…》
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
-5年後。。-
「まさか…、瑠樺ちゃんが結婚する…なんて。。」
と、思わず…ため息混じり…に呟いた。。
鏡の前で、パールのピアスをつけながら…瑞希は、言った…。。その、瑞希の首元にネックレスをつけようとした青年…
「ホント。。アイツら、やっとって感じだもんな…」
と、瑞希にネックレスをつけ終えた青年は、次に自分のネクタイを締め始める…
瑞希は、【ありがと】と、言いつつも…、その青年が吹き出しそうな笑顔を見せている横顔を盗み見…
「…そうだね…っ」
《…って、私たちはどうなのよ~?
て、聞けないけど。。》
今日は、瑞希の友人の瑠樺の結婚式…だ。
アレから、5年。。
瑞希は、悠とあのまま…一緒に暮らしている…。。彼は、事件後に大学を入り直し…いまは、映像クリエイターやイラストレーターなどの仕事をし、名を知られるようになりつつあった。。
「じゃ、行こっか…!」
と、笑顔を浮かべ、左手を瑞希に差し出した…。。瑞希は頷き返し、その手を取る…
相変わらず…、悠の優しさ…は、変わらない。。
それは、付き合い始める前から……
「うん。」
《まぁ…、悠が映像クリエイターになって…
まだ、1年…だもんな…。
結婚…なんて、まだまだ先…っ》
そぅ…、思いつつ…。。少し、焦りと寂しさ…もあった。。
が、彼の温もりも、優しさも…変わらない…
その重ね合わせた手…、指先を絡ませ合う…。。傍にある笑顔も…
ずっと…、この先も…、このまま…続いていけたら…と、切に願う…
彼と、このまま…同じ時間を過ごす事が出来ますように…
ずっと…、共に…。。
‐Fin‐
「どうして、ここに居ること、分かったの?」
奈都子が、警察に連行され…
悠は、瑞希たちが宿泊しているホテルに来ていた…そのホテルの部屋で…
「漆原さんが…、【悠は、別荘にいる】って。教えてくれたの…
成宮くんの、ご両親にも会った…。
成宮くんのお母さんね、奈都子さんとのこと…知ってたの」
瑞希の言葉に、悠の瞳は微かに揺らめいた…
母親の美津子が、姉の奈都子との関係を知っていた…と、言った瑞希の言葉が信じられなかったからだ…
「お母さん、謝ってた…。あなたを犠牲にしてた…って…。泣いてた…
あなたは、自分が犠牲になることで…お父さんも、お母さんも…お姉さんも…上手くいくって、思っていたの…。。
だから、いわれるままになってた…違う?」
「…瑞希…っ」
「でも…、そんなの表面的だけよ?
もぅ、そんな必要ないから…」
その瑞希の言葉を聴き…、悠の瞳から一筋の涙が伝い落ちた…
瑞希の言葉に、悠は、短く…【そぅか…】と、納得した…
そして…、悠は、瑞希の身体を抱き締め…、その耳元に…
「…会いたかった…」
瑞希は、その悠の言葉に涙が止まらなかった…。。悠の背に自分の手を回す…
「…成宮くん…、私も…」
「何か…、随分…久しぶりなような気がする…」
瑞希は、悠と再会した後…、ホテルの部屋のソファに座り…寄り添いながら…。。指先を絡ませ合う…
そぅ、瑞希の身体を抱き寄せ…、その頬に触れながら言った悠に。。瑞希は、涙の粒を浮かべた瞳で、見つめる…
「もぅ…、会えないかと…思ってた…」
次第に、その声が…涙声になる…
「俺も…、」
悠は、瑞希の頬に触れていた手を、顎先に触れ…その唇に口付けをした…。。
その口付けを受けながら…、瑞希の頬に涙の粒がつたい落ちた…
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悠は、その後…警察の事情聴取を数回受け…。。一連の事件の被害者と…なった。。
悠の姉の奈都子は、琢磨が告訴しなかった為、保釈され…保護観察処分を受け。。実家に戻っているという…
「俺、大学、辞めようと思う…」
その後…、瑞希と悠は一緒に暮らし始めた…。。ちゃんと、悠の両親に許可も得ていた…
ただ、瑞希の部屋は一人用の部屋に近かったため…2人で暮らせるよう…あらたに、部屋も探さなければならなくなった…
悠から、話がある…と、言われた瑞希…
そぅ、意を決したような瞳を見せながら…言った悠の言葉…
「来年、美大、受け直そう…って…
いまのまま…のとこだと、将来的になりたいのとは畑違いだから…」
と。。
悠のいまの学部は、経済学部だ…それは、義理の父の強い勧めもあったからこそ…だが…、いまとなってはなんの魅力も感じない…という。。
それは、瑞希も薄々…勘づいてはいたが…
そう、言いつつも…笑顔を見せた悠に、瑞希も…それは、予想をしていた。。…彼は、あれから絵を描き始めている…
「うん。いいと思う! 応援する…。きっと、大丈夫だよ」
瑞希は、大きく頷き返し…。。悠の胸元にしがみつく…
悠は、過去の自分と向き合い…自分の人生を歩き出すことを決めた…。。新たな自分の人生を…――
「…ありがとう…っ」
そぅ、耳元に届いた言葉に。。瑞希は微笑み返した…
「……っ」
《この時間が、再び…戻ってくる…とは、思ってはいなかった…
彼の…、あの時の記憶が、消え失せることはないだろう…
きっと、一生…、彼の中の傷になって、くすぶり続けていく…
それでも、私は、彼と共に…生きることを選んだ…
それは、彼の受けた傷を…、自分のモノとしても…生きていきたい…と、思ったから…》
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-5年後。。-
「まさか…、瑠樺ちゃんが結婚する…なんて。。」
と、思わず…ため息混じり…に呟いた。。
鏡の前で、パールのピアスをつけながら…瑞希は、言った…。。その、瑞希の首元にネックレスをつけようとした青年…
「ホント。。アイツら、やっとって感じだもんな…」
と、瑞希にネックレスをつけ終えた青年は、次に自分のネクタイを締め始める…
瑞希は、【ありがと】と、言いつつも…、その青年が吹き出しそうな笑顔を見せている横顔を盗み見…
「…そうだね…っ」
《…って、私たちはどうなのよ~?
て、聞けないけど。。》
今日は、瑞希の友人の瑠樺の結婚式…だ。
アレから、5年。。
瑞希は、悠とあのまま…一緒に暮らしている…。。彼は、事件後に大学を入り直し…いまは、映像クリエイターやイラストレーターなどの仕事をし、名を知られるようになりつつあった。。
「じゃ、行こっか…!」
と、笑顔を浮かべ、左手を瑞希に差し出した…。。瑞希は頷き返し、その手を取る…
相変わらず…、悠の優しさ…は、変わらない。。
それは、付き合い始める前から……
「うん。」
《まぁ…、悠が映像クリエイターになって…
まだ、1年…だもんな…。
結婚…なんて、まだまだ先…っ》
そぅ…、思いつつ…。。少し、焦りと寂しさ…もあった。。
が、彼の温もりも、優しさも…変わらない…
その重ね合わせた手…、指先を絡ませ合う…。。傍にある笑顔も…
ずっと…、この先も…、このまま…続いていけたら…と、切に願う…
彼と、このまま…同じ時間を過ごす事が出来ますように…
ずっと…、共に…。。
‐Fin‐

