「…まさか…っ!」
一瞬にして…、冷や汗が吹き上がる…
あの方角は、成宮家の別荘がある方角…
瞬時に…、そのサイレンが鳴り響いている方向に駆け出して行く悠…
「成宮くん…っ!」
その時、瑞希が持っていたスマホの着信が鳴り響いた…
知らない番号だった…
瑞希は、その画面をスライドさせ…耳元に当てる…
「もしもし…、あの…どちら様…?」
『…瑞希ちゃん?』
その、声に…その電話の奥の女性に、瑞希の心音がドキン…とした…。。
「…え? 奈都子…さん…?」
電話の奥では、微かに笑い声が聞こえたような気がした…
「あの! いま、何処に?」
その瑞希に、奈都子は、微かに笑みを浮かべた…
『あなた、悠を追いかけて…来てるのよね?
ホントに、こんな所まで追いかけて来る…なんて。。あなたって、ホントに面白い子ね…』
今までの…、威圧的な態度やものの言い方とは違っていた…
『悠、あなたのことを本当に好きなのね…』
そぅ、小さく消え入りそうな声で言った…
「…え?」
《なんか、以前と雰囲気が違う…っ》
「…奈都子さん…っ!
いま、何処に? 成宮くん、あなたを探して…」
《なんか…、ヘン!
何か…、今までと…っ》
その、電話の奥から…聞こえた…。。微かに咳き込むような咳…と、サイレンの音…が、電話の奥からも聞こえた…
『悠に伝えてくれる?
私…、あなたとは生きていけないの…。。
私、これから先も、あなたに依存してく…。1人じゃ何も出来ないんだもの…。。自分のことも出来ない…何一つ…
あなたを食いつぶすだけよ?
あなたは、きっと…後悔する…。。今だってそぅ…後悔してる…
だから…、解放してあげる…』
その、奈都子の言葉に…瑞希は、何も言えなかった…
電話の奥の奈都子は、少しずつ涙声になっている…
『だから、…あなたを解放してあげる…って…』
瞳の奥に映る…悠に、そぅ…笑顔を向ける…。。
「奈都子さん…、そんなこと…
自分で言ってくださいっ!
自分の言葉で、伝えないと…伝わらないですよ?」
『だから、刑事さんを呼んだの…。琢磨を刺したのは、私だもの…。
悠を監禁したのも…
ここもね、すぐに火が回るわ…。。悠は何も悪くない…』
「…【火が回る】?」
奈都子の言葉に、瑞希は、先ほど悠が駆けて行った方を見つめる…
サイレンが聞こえる方だ…
『瑞希ちゃん、私、あなたのこと…嫌い…だったゎ。こんな所まで追いかけて来る…なんて…、なんて…しつこいの?
でも……、悠は、あなたにあげる』
そぅ、電話の奥の瑞希に笑いかけた…。。
そこで、途切れた通話…
瑞希の指先が震え出す…、そのすぐ側にいた瑠樺が、瑞希の変化に気づき…
「瑞希ちゃん、どうしたの? 雅人と三枝教授も直ぐに来るって…」
「奈都子さん…が…」
《いまの電話…っ!
まさか…、死のうとしている?
…このままじゃ…!》
瑞希も、慌てて…悠の後を追い掛ける…
「瑞希ちゃん…っ!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
別荘にたどり着いた…悠は、茫然…とした表情を浮かべ…、炎に包まれている別荘を見つめる…
消防士達が既にかけつけ…放水をしようとしていた…
瑞希も、ようやく追い掛けたどり着いた…呆然…と、崩れ落ちそうな別荘を見上げている悠…
もぅすでに…、奈都子は居ないのだろうか…?
悠の服の袖を掴み…、その手に指先を絡ませる…。。その、指先から感じる温もり…に、人の温もり…が、感じられた…
悠は、瑞希の方に視線を向ける…。。その、変わらない瞳に…
「成宮くん!…奈都子さん、中に居るの?」
そぅ、涙声になりながら…聞こえた…その、瑞希声に…。。悠はようやく瑞希の方に視線を向けた……
「瑞希…、何故、ここに?」
その時、別荘のガラスがバリバリと音を立て、崩れ落ち…、2階から爆発音のような音が聞こえた…
「っ姉さん…っ!」
悠は、今にも崩れ落ちそうな…その別荘に近づこうとする…
今にも…、その炎の中に飛び込んで行きそうな勢いだ…
その悠の腕をすぐ様掴んだ瑞希…
「っ成宮くん! 待って!
行かないで…っ!」
「っ姉さんが、中に…っ!」
瑞希の手を、振り払おうとする悠…
が、その2人の目の前に…現れた人影…
「…悠…、なんで…戻って来たの?」
別荘の木陰から…、咳き込みながら…現れた人影…
その姿と、その声に…。。2人ほ目を見張る…
「…姉さん…っ」
「悠、何で戻ってきたの?
瑞希ちゃんがせっかく来てくれたのに…。」
悠は、奈都子が無事だった…という安堵感から、奈都子の身体を抱きしめ…、
「なに、してるの? ここに火をつけたの? 何で…そんな…っ?」
「悠…、私…、死のうと、思ったの…でも…」
両の瞳を腫らし…、ムリして笑顔を作ろう…とする…
「でも…、できなかった…
怖くて…っ」
ちょうど…、そこに瑞希を追いかけてきた瑠樺や刑事の2人も追いかけてきていた…
刑事に、両手首を差し出した奈都子…
その両手首に、無機質に手錠を掛けられ…、連行されていく奈都子…
「成宮くん、君にも…後ほど事情を伺うから…」
と、悠にそう言い残し…奈都子を連れていく…
奈都子は、悠の方を振り返り…
「悠、幸せにね…」
「……っ」
一瞬にして…、冷や汗が吹き上がる…
あの方角は、成宮家の別荘がある方角…
瞬時に…、そのサイレンが鳴り響いている方向に駆け出して行く悠…
「成宮くん…っ!」
その時、瑞希が持っていたスマホの着信が鳴り響いた…
知らない番号だった…
瑞希は、その画面をスライドさせ…耳元に当てる…
「もしもし…、あの…どちら様…?」
『…瑞希ちゃん?』
その、声に…その電話の奥の女性に、瑞希の心音がドキン…とした…。。
「…え? 奈都子…さん…?」
電話の奥では、微かに笑い声が聞こえたような気がした…
「あの! いま、何処に?」
その瑞希に、奈都子は、微かに笑みを浮かべた…
『あなた、悠を追いかけて…来てるのよね?
ホントに、こんな所まで追いかけて来る…なんて。。あなたって、ホントに面白い子ね…』
今までの…、威圧的な態度やものの言い方とは違っていた…
『悠、あなたのことを本当に好きなのね…』
そぅ、小さく消え入りそうな声で言った…
「…え?」
《なんか、以前と雰囲気が違う…っ》
「…奈都子さん…っ!
いま、何処に? 成宮くん、あなたを探して…」
《なんか…、ヘン!
何か…、今までと…っ》
その、電話の奥から…聞こえた…。。微かに咳き込むような咳…と、サイレンの音…が、電話の奥からも聞こえた…
『悠に伝えてくれる?
私…、あなたとは生きていけないの…。。
私、これから先も、あなたに依存してく…。1人じゃ何も出来ないんだもの…。。自分のことも出来ない…何一つ…
あなたを食いつぶすだけよ?
あなたは、きっと…後悔する…。。今だってそぅ…後悔してる…
だから…、解放してあげる…』
その、奈都子の言葉に…瑞希は、何も言えなかった…
電話の奥の奈都子は、少しずつ涙声になっている…
『だから、…あなたを解放してあげる…って…』
瞳の奥に映る…悠に、そぅ…笑顔を向ける…。。
「奈都子さん…、そんなこと…
自分で言ってくださいっ!
自分の言葉で、伝えないと…伝わらないですよ?」
『だから、刑事さんを呼んだの…。琢磨を刺したのは、私だもの…。
悠を監禁したのも…
ここもね、すぐに火が回るわ…。。悠は何も悪くない…』
「…【火が回る】?」
奈都子の言葉に、瑞希は、先ほど悠が駆けて行った方を見つめる…
サイレンが聞こえる方だ…
『瑞希ちゃん、私、あなたのこと…嫌い…だったゎ。こんな所まで追いかけて来る…なんて…、なんて…しつこいの?
でも……、悠は、あなたにあげる』
そぅ、電話の奥の瑞希に笑いかけた…。。
そこで、途切れた通話…
瑞希の指先が震え出す…、そのすぐ側にいた瑠樺が、瑞希の変化に気づき…
「瑞希ちゃん、どうしたの? 雅人と三枝教授も直ぐに来るって…」
「奈都子さん…が…」
《いまの電話…っ!
まさか…、死のうとしている?
…このままじゃ…!》
瑞希も、慌てて…悠の後を追い掛ける…
「瑞希ちゃん…っ!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
別荘にたどり着いた…悠は、茫然…とした表情を浮かべ…、炎に包まれている別荘を見つめる…
消防士達が既にかけつけ…放水をしようとしていた…
瑞希も、ようやく追い掛けたどり着いた…呆然…と、崩れ落ちそうな別荘を見上げている悠…
もぅすでに…、奈都子は居ないのだろうか…?
悠の服の袖を掴み…、その手に指先を絡ませる…。。その、指先から感じる温もり…に、人の温もり…が、感じられた…
悠は、瑞希の方に視線を向ける…。。その、変わらない瞳に…
「成宮くん!…奈都子さん、中に居るの?」
そぅ、涙声になりながら…聞こえた…その、瑞希声に…。。悠はようやく瑞希の方に視線を向けた……
「瑞希…、何故、ここに?」
その時、別荘のガラスがバリバリと音を立て、崩れ落ち…、2階から爆発音のような音が聞こえた…
「っ姉さん…っ!」
悠は、今にも崩れ落ちそうな…その別荘に近づこうとする…
今にも…、その炎の中に飛び込んで行きそうな勢いだ…
その悠の腕をすぐ様掴んだ瑞希…
「っ成宮くん! 待って!
行かないで…っ!」
「っ姉さんが、中に…っ!」
瑞希の手を、振り払おうとする悠…
が、その2人の目の前に…現れた人影…
「…悠…、なんで…戻って来たの?」
別荘の木陰から…、咳き込みながら…現れた人影…
その姿と、その声に…。。2人ほ目を見張る…
「…姉さん…っ」
「悠、何で戻ってきたの?
瑞希ちゃんがせっかく来てくれたのに…。」
悠は、奈都子が無事だった…という安堵感から、奈都子の身体を抱きしめ…、
「なに、してるの? ここに火をつけたの? 何で…そんな…っ?」
「悠…、私…、死のうと、思ったの…でも…」
両の瞳を腫らし…、ムリして笑顔を作ろう…とする…
「でも…、できなかった…
怖くて…っ」
ちょうど…、そこに瑞希を追いかけてきた瑠樺や刑事の2人も追いかけてきていた…
刑事に、両手首を差し出した奈都子…
その両手首に、無機質に手錠を掛けられ…、連行されていく奈都子…
「成宮くん、君にも…後ほど事情を伺うから…」
と、悠にそう言い残し…奈都子を連れていく…
奈都子は、悠の方を振り返り…
「悠、幸せにね…」
「……っ」

