後悔のその先に

剛の言葉を遮るようにしていう。

あたしの決意が鈍らないように。

家の中に入ると、懐かしい香りが

ふわっと私を包む。

廊下の突き当たりリビングの隣の部屋。

お母さんの部屋だ。

ドアノブに手をかける。

ひとつ呼吸をおいて、持ち手を引いた。

ギィーーー。

あの頃のまま。