プロローグ

なんで、私なんかした?もう冷められた?ひどい
あんなに好きだって言ってくれてたのに

このはは彼氏に対しての不満を抱きながら泣いていた。ここ最近、ずっと構ってくれなくてLINEをしても「うん」か「笑笑」。
あっちの親が厳しいから会えない。

付き合って1週間も経たないうちにこんなに不満が溜まって泣いて、この先大丈夫なんだろうか。

そんな時、彼氏からLINEが届いた。
新鮮な、「うん」でも「笑笑」でもない、なにかを伝えようとしている言葉。

「このは」
「落ち着いて聞いてね」
「あのさ」
「付き合ってること親にバレて」
「勉強してたふりして会ってたこともバレて」
「LINEも全部見られて」
「別れろって言われた」

こんなのなら別れた方がいいのかな、とこのはが思っていた矢先のLINEだった。
その時何故か涙は出ず、すぐにLINEを返した。

「そうなんだ」
「私は全然大丈夫」
「ごめんね」

彼氏から
「うん、俺もごめんね」

そう帰ってきてからもうあの人とはLINEはしてない。もう全然好きじゃなかった。
好きって言われたから嬉しくて付き合っただけで全然好きなわけじゃなかった。恋なんかじゃなかった。