『きゃー!やめてよ〜!』

目の前を小さな女の子が笑いながら走る

『ぱぱだぞ〜!!風〜!!』

これ、私、、?

『ぱぱきもーい。ままーぱぱがきもーい』

『ぱぱ泣く、、、』

『あっははは!!風!あんた最高だね!』

ままとぱぱ、、、?

『いい子にして待っときなさい』

風がいい子にしてたらぱぱとままは帰ってきてくれる?

風、悪い子、、?


『はぁ、はぁ、いい体、はぁ』

知らない男性に無理やり抱かれる

『やだ!!!』

『暴れんな!!』

頭を殴られて朦朧とする

風、、悪い子だね、、、


『、、、い!』


夢なら覚めてよ、、


『おい、、!!!!』

『え』

目を開けると目の前には1人の男性

『おい、意識あんのか?』

『あ、はい』

男の人は私の頭を撫でてきた

ビクッ

『そんなビビんなよ、、』

『すみません』

私の頭を撫で続ける

『名前教えろよ』

『、、風』

頭を撫でていた手がスルッと降りてきて私の頬を撫でた

『道端に倒れてたぞ?』

あ、私自殺しようとして、、

『死にたかった』

死ねなかったけど、、

死ねなかったなら意味がない

私は起き上がろうとした

『いっ、、たぁい、、』

『全治3ヶ月のケガだ』

体の左半分に激痛が走る

『痛いのは生きてる証拠だ。よかったな』

死にたかった。生きたくない

『なんで死にたい?』

なんでそんなに聞いてくるの?

『あなたに言う必要はない』

誰とも関わりたくない

『死にてえなら殺してやるよ』

逸らしていた目線を合わせる

この人は本気だ

目が本気

『けど、死にてぇ理由を教えてくれねぇと俺は殺せれねぇ』

理由なんてない

人生に疲れた

それだけ

『なにもない』

『なにもねぇのに死にてぇわけねぇだろ』

親もいない

ましてや家族なんているわけない

私に居場所はない

死んでるのと変わらない

『親御さんに電話するぞ。連絡先教えろ』

ずっと黙っている私に聞いてきた

『親なんていない』

男はポケットにケータイをしまった

『居場所、ねぇのかお前』

『居場所なんていらない』

強がってなんかない

『よくわかんねぇ女だな』

そう言って笑っている

こんなに人と話したのいつぶりだろう

なんか疲れた

瞼が重くなって、、、

目を閉じた

『風、おやすみ』

意識が遠のく中、さっきの男の声がした