「あの人達の要件は
本当にお金以外ないと思います。
だから、お金だけじゃ手に入らないモノの
大切さを知らないんです。
私は周りから散々、親の居ない可哀想な子。
と言われてきたけれど.......
でも本当に可哀想なのは、
あの人達だと思うんです。
お金以外の幸せを知らないあの人達は、
本当に可哀想。」
しんと静まる車内。
「だから私は幸せです。と伝えたいんです。
あの人達が知らない世界を
大切な人達、モノの中で今自分が
幸せに生きていると伝えたいんです。
嫌われてもいいです。
殴られても構いません。
最初から私はお金を貰う口実のモノだったので」
言い終わってハッと我に返り、後悔した。
静かな車内に少し罪悪感を覚える。
............引かれただろうか。
