一匹狼と野良猫。



「ありがとう、ございます」

「熱いからふーふーしなね」



彼はそう言って隣りに腰掛ける。

ふーふーって.......なんだか可愛らしい。


無自覚で彼を見つめていたみたいで、

一口飲んだ後、こちらを見て首を傾げる。



「なに?」

「あ.......いえ。 滉牙さんって、猫舌ですか?」

「え、なんで?」

「........ふーふーって、言ってたから.......」



私の言葉に不思議そうな表情の滉牙さん。



「え、熱いもん飲む時とか食べる時に言わない?」

「........言ったこと、ないです」

「うっそ、全然言ってたわ。」



俺だけか、と呟く。