一匹狼と野良猫。



お互いその場を動かず、

離れるわけでもなく、

シーンと顔を見合わせて固まる。



「姉貴とタイガ、仕事で出かけたからさ。
リビングでゆっくりしようと思って」



彼が沈黙を破り、目を逸らして頭を掻く。



「そ、そうなんですね......」

「紅茶かなんか飲む?」

「あ、じゃあ......ミルクティーがいいです」



そう答えると、じゃあリビング行こ。と言って

歩き出す。



前を歩く彼の背中は大きくて頼もしい。

背が高くて細いけど程よく筋肉がある。

なんだか抱きつきたくなって後ろから抱きついた。