「もうだいぶ歩ける?」

「あ.......はい。 お陰様で」



ベッドの横の椅子に腰掛ける滉牙さん。



「今日は、スーツ.......ですね」

「んー、ちょっと出かけててさ。
硬っ苦しいからスーツ嫌い。」

「お仕事、ですか?」



私の質問に少し間を置いて、うん。と答えた。

ネクタイを緩める滉牙さん。



「スーツ、かっこいい......です」



普段は私服かスウェットの彼が

きっちりした服装も着こなす姿に

なんだかソワソワして自分の手を見つめる。