一匹狼と野良猫。



もう帰っちゃうのか。

引き止めたいけれど、そういう訳にもいかない。

下を向いてコクっと頷く。



すると突然、彼がこちらに寄ってくる。

そして額に彼の唇が触れた。

身体は石みたいに動かない。



ゆっくりと離れて、顔が近づく。



「また明日。」



優しく微笑む滉牙さん。



「..........はい」



自ら彼にそっと腕を回し、抱きつく。

そしてゆっくり離れると、彼は不満そう。



「ゆいはしてくれないんだ?」



そう呟く彼に、身体がまた固まる。