一匹狼と野良猫。



「嫌だ。」



そう呟くと、ゆっくりこちらを向く滉牙さん。



「なんで........そんなこと、言うんですか」

「違う。ゆい聞いて」



彼の服をぎゅうっと掴む。

ツーっと頬に雫が伝う。

それに気づいた彼は慌てて、

近くのベンチに座らせた。



「ごめん、そうじゃなくて」



そう言う彼の言葉が耳に入ってこない。

ぽたぽたと涙が零れる。



「ゆい、ちゃんと聞いて?」



頬を大きい手で包まれ、

顔を自分の方へ向けられる。