ゆっくり歩く滉牙さん。 ゆっくりな分、周りから注目されて恥ずかしい。 「こ、滉牙さん。 もう少し早く歩いても大丈夫ですよ」 「うん」 返事はするけれど、 彼の歩くスピードは変わらない。 看護師がこちらを見て口元に手を当てて微笑んだ。 ..........恥ずかしい。 熱い顔を隠す為に下を向く。 「ほんとは、退院するまで 会わないでおこうって思ってた。」 滉牙さんはポツリと呟く。