一匹狼と野良猫。



「やっぱおんぶしよ。」

「えっ」



滉牙さんは、ほいっと私の前にしゃがむ。



「あ、歩けます」

「ダメ、おんぶ」

「は、恥ずかしいです」

「ダメ、はやく」



全然聞いてくれない彼は、こいこいと

後ろから手招きする。



「お、重いです私」

「大丈夫大丈夫。軽いし」

「と、途中でしんどくなるかも」



断固拒否する私に痺れを切らした滉牙さんは

こちらを向いてガバッと抱き上げられた。



「ぅえっ?」



急な事に変な声が出る。