一匹狼と野良猫。



「今こっち見んの禁止」



そう言ってまた頭をわしゃわしゃされる。

その仕草に自分も顔が熱くなる。



「み、見たいです」

「やだ」

「ずるいです」

「やだ」



もどかしい感じと、

きゅーと胸が締め付けられる感じが混ざって

変な感じ。



「そろそろ部屋戻ろ」



パッと離れる滉牙さん。

辺りを見ると、日が沈みかけていた。



「.........はい」



ぐーっと伸びをする彼の背中を見つめる。

もう、帰っちゃうのかな。