一匹狼と野良猫。



「彼女が襲われたのも、君を守れなかったのも、

全部、俺の注意不足。

アイツをなんとかしなきゃって一心で
ちゃんと冷静な判断出来てなかった。」



彼はそう言ってゆっくり手を繋ぐ。

彼の温もりが伝わってくる。



「全部周り見てなかったのは、俺の方。」



下を向く滉牙さん。

トク、トク、と自分の鼓動が聞こえる。



「怖かったよな、苦しかったよな。

辛かったよな。」



そう言って彼は握る手に力を込めた。

滉牙さん。

何故あなたは、

自分しか責めないの。