手を伸ばし、彼に抱きつく。 彼はベンチの前にしゃがみ、 私の顎が自分の肩に乗りやすい様にしてくれる。 滉牙さん。 滉牙さんだ。 彼の肩に顔を埋め、彼に回している腕の力を ぎゅうっと込める。 「なになに、どうしたの」 彼は微笑みながら、こちらに腕を回してくれて 頭をポンポンとする。