一匹狼と野良猫。



「まぁまだ油断出来ないけれどね。

君を監禁した男性は大量の睡眠薬で
自殺を図ろうとしたみたいだけれど、

今の薬剤はちゃんと調合されていてね、
こんなんじゃ死ねないようになっているんだよ。


けれど、後遺症は残る場合もあってね。

植物状態になったり、内蔵が機能しなくなるとか、
後はー........睡眠薬を体内から出す為に
胃の中を洗浄させて貰ったから、
しばらくは消火不全が心配だねぇ。


この点滴も血液に循環してしまった薬を
分解してくれているんだけど、
見た目が真っ黒だからね。

気持ち悪いけれど抜いちゃダメだよ」



丁寧に説明してくれる医師に頷くと

にっこりと微笑んだ。



「ちゃんと言っておかないと、

黒い点滴なんてなかなかないから
パニック起こして引っこ抜いちゃう人とか
いるんだよねぇ.......

念を押しておかないとね。」



そう言って医師はハッハッハと笑う。