一匹狼と野良猫。



「なんで答えないの?
なんで何も言わないの?

前みたいに言えよ。
ごめんなさいって」



顎を掴まれ、口からは血が滲む。

男の目は血走り息も上がっている。



「言わないの?
このままずっと殴るよ?」



今度は髪を鷲掴みにされ、

頭を引っ張り上げられる。

髪がちぎれそうなほど強い力。



もう言う事はないと思っていた言葉がよぎる。



「........こ」

「こ?」

「こ.....ろ、し......て」



こんなに自分が放つ言葉に罪悪感を抱いたのは、

初めてだ。

あぁ、ごめんなさい。