「ゲホッ!!ゲホッ!!!」
「........なぁ、なんで逃げた?」
咳き込み俯く私の頭を鷲掴み
無理やり顔を上げられる。
「しかも僕が起きないように
睡眠薬なんか入れちゃってさ?
気づいてたんだ?
やっぱり ゆいなは賢いね?」
くくくっと不敵な笑みを浮かべる彼に対し、
恐怖で身体が震える。
はぁ、はぁ、と息が上がる。
苦しい。
苦しい。
苦しい。
「何故、君は拒絶する?
僕は君を愛しているのに、何故逃げるの?」
目を見開いたその瞳は、
威圧を思わせるその口調は、
私を逃すまいと恐怖でねじ伏せる。
