一匹狼と野良猫。



「あ、あとこれ。」



そう呟く彼を見ると自分がしていたネックレスを

私の後ろに周り、首に付けてくれた。



「お守り。外いる時は絶対しててね」



後ろなのに近くに聞こえる

彼の声に身体が固まる。



「よし、じゃあ行こうか」

「あ、私も荷物.....」

「ダーメ。」



荷物掴もうとした手は荷物ではなく、

彼の大きな手に掴まれて家を後にした。