「あ、いえ......」



首を横に振ると彼は再び微笑む。



「やだった?カップルに見られたの」

「い、いえ......嫌じゃないです。

ただ滉牙さんが困ってしまうのでは、って
思って........その」

「困る?なんで?

俺は嬉しいけど」



平然と答える彼に固まる。

そして彼は口が滑ってしまったかの様に

ハッと我に返り、今のナシ。と呟いて

車へと向かった。



夕方の空、大きく傾く真っ赤な夕日に照らされる。

そう、きっと顔が熱いのは夕日のせいだ。