一匹狼と野良猫。



「どうしてゆいちゃんなんだろう。
どうして痛い目に合わなきゃいけなかったんだろう。

私.......許せない。」

「気づいてたよ。痣」

「.......ぐすっ」

「拾った時、口元切れてた。
明らか殴られた跡だった。

腫れは直ぐ引いたみたいだったから安心したけど、
変に聞かない方がいいと思って見て見ぬフリしてる。」

「......そう、よね。
まだ全然事情も話せそうにないみたいだし」

「寝てても悪夢に魘されてるのに、だから
自分から話してくれるまで待つって決めたんだよ。」

「.........そうね。
今は、側に居て支えてあげるしかないわね。」

「..........あぁ」