一匹狼と野良猫。



「やった!!ありがとう〜♪
じゃ早速準備しよ!」


彼女はそう言って手を2拍手すると

一斉にスタッフの方々が迫ってくる。



「まず髪の毛整えて、
メイクして、この服着ましょうね♪」



指を折り曲げながら嬉しそうに微笑む彼女に

彼女が楽しそうならいいか。と

されるがまま身を任せた。


ーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー



シャキ.......シャキ.............


無造作に伸び切った髪の毛を

スタッフさんが整えてくれる。



「髪の毛サラサラね〜。
引っ張ったりしちゃったら、言ってね?」

「あ......はい」


優しく触れられる事にはまだ慣れないままだ。

急に髪を鷲掴みにされるのではないだろうか

殴られるのではないだろうか。と

そんな事ばかり考えてしまう自分に嫌気がさす。