~一大地~ 一月中旬が過ぎた頃、また前触れなく電話をかけてきたのは鮎原さんで、どこかへ出かけようとお誘いを受けた。 「二人で?」 『そう、二人で』 夜、仕事も終わりお風呂上りでの電話で、ボスッとベッドに腰かける。何で、俺に電話? 「二人でって……どこに行くの?」 『どこってそれは今から話し合ってさ』