「そいつとはまだ付き合ってないんでしょ? 付き合うまでは俺のこと候補に入れてくれない? 告ってダメだったら俺の所に来てくれてもいいし」

「そんな、鎌堂君を利用するようなこと」

「俺はそれでいいよ。……さ、この話は切り上げてカフェ行こっか」

 何事もなかったかのように手を繋いできた鎌堂君に、私が戸惑ってやんわり指を解くと、鎌堂君は悲しげに笑った。

「もう手、繋いでくれないんだ」

「……ごめんね」

「いいよ、驛ちゃんは真面目だからね」