「んじゃあ、一来たし、俺帰るわ」

 俺が鎌堂の隣の席に着こうとする前に、鎌堂は立ち上がって帰ろうとする。ちょっと待って要するに、俺と鮎原さんを引き合わせるためにここへ来たかのよう。

「何で帰るんだよ。別にすぐに帰らなくても」

 引き留めた俺に、鎌堂はニコッと笑って俺の背中を叩いてきた。