ホテルの予約は、美衣に任せていた。



美衣に買わされた大量の紙袋を抱えて、ホテルのフロントでチェックインする。



美衣はお金を節約しようとしたのか、観光客向けのホテルじゃなくて、安っぽいビジネスホテルだった。



「なんか、しょぼいな……」



「一番安かったし、眠れればいいんじゃない?」



彼女とデートならもっとマシなところを予約するが、妹だから別にいいかと思って、部屋の鍵を開けた。



普段はシングル用に使われていそうな狭い部屋の中には、小さなセミダブルベッドが一つあるだけだった。