材料を刻んで炒めていたら、誠也が後ろからのぞきこんできた。



「美衣は料理上手だね」



「そんなに上手じゃないけど、小さい頃からよくお母さん手伝ってたから……

お母さんが作る料理は、だいたい一人で作れるよ」



「美衣、すごいね」



そう言って、誠也は後ろから抱きついてきた。



「ちょっと待って……焦げちゃうよ」



本当はもう少し炒めたいところだけど、私は慌てて鍋に水を入れた。