「何泣いてんだよ……
そんなに猛獣怖いなら、早く言えよ」



「そうじゃないってば……」



「あの時は、お前を置いて行って悪かったよ」



お兄ちゃんも、私が迷子になったことを覚えているのだろうか。



お兄ちゃんはそう言って、私の手を握った。



「もうお前一人にしないから……
泣いてないで、コアラ見に行くぞ」