「一緒にいられる時間が限られてるから、余計大切に思うんじゃね?

今しかない時を、大切にしたらいいだろ」



いつもはちょっと冷たい感じのお兄ちゃんが、優しい目をしていた。



「お兄ちゃんは、ずっと一緒にいてくれる?
私を置いて、遠いところに行ったりしない?」



「当たり前じゃねぇか。
お前は、俺の妹なんだから」



そう言って、お兄ちゃんは親指でそっと私の頬をつたう涙をぬぐった。