兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

『おにいちゃん……おにいちゃん』



半べそをかきながら歩いていると、苦手なライオンと目が合ってしまった。



『おにいちゃん……早く来てよ』



とうとう私は泣き出してしまった。



『おい、みい。何やってんだよ……
待ってろって言っただろ』



お兄ちゃんは焦った様子で走ってきた。



『だって、おにいちゃんなかなか戻ってこないから』



『悪かったよ……つーか、それぐらいで泣くなよ』



お兄ちゃんはふてくされた顔で、私の手を握った。