兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

しばらく一人でゾウさんを見ていたけど、お兄ちゃんはなかなか戻ってこなかった。



不安になった私は、お兄ちゃんを追いかけて、苦手な猛獣コーナーに一人で入っていってしまった。



お兄ちゃんは、どこにもいない。



人も多いし、どの道から来たのかわからなくなって、私は元のゾウさんの場所にも戻れなくなってしまった。



『おにいちゃん……おにいちゃん、どこ?』



大きな声で呼んでみたけど、お兄ちゃんの返事はなかった。