「温かい料理食べるの久しぶりだな。
桐ケ谷、本当にありがとう」



「あら、新倉君のお母さんは?」



「うちの母は、ずいぶん前から入院してるんです」



不思議そうに顔を上げた俺の母親に、新倉は優等生スマイルで答えた。



「大変ね……いつ頃退院するの?」



「それが……ちょっとまだわからなくて……」



新倉の母親は、ずいぶん重い病気なんだろうか。



さっきまで浮かべていた優等生スマイルが消えて、新倉は目を伏せてしまった。