新倉君なら、信じられる気がした。



きっと、私は彼を好きになる。



彼の優しい笑顔を見ていたら、そう思えた。



「それでね、うちのお母さんが新倉君に会いたいって言ってたんだけど……今度うちに来ない?

よかったら、新倉君うちで夕飯食べてかない?」



「……いいの?」



「新倉君に、何かおいしいもの作りたいなと思って……」



「桐ケ谷、料理得意なの?」



「得意って訳じゃないけど……作るのは好きだよ」



「桐ケ谷の手料理食べてみたいな。楽しみしてるよ」



新倉君は、私と違って曇りのない笑顔をしている。



そんな彼に、私はぎこちなく笑顔を作った。